スタッフ教育でコミュニケーションを学ぶ 演劇的アプローチが有効な理由


自己紹介

 

– コミュニケーション講座ファシリテーター・大関愛です。

 

こんにちは、スチコン塾 大関愛です。

 

これから、新調理なび。サイトにコミュニケーション・スタッフ教育についてのブログを上げていきます。

 

一記事目の今回は、少し自己紹介をしようと思います。

 

私はプロジェクト「Act」Tokyoという団体で演劇活動をしています。

 👉Act Tokyo プロジェクトアクトについて

 

そして現在その演劇的バックグラウンドを生かし、

都内の障害者就労支援施設でコミュニケーション講座の講師をしています。

 

また、スチコン塾のセミナーや研修でも、

セミナーの導入やスタッフ教育の一部としてコミュニケーション講座を行なっています。

「講座」といっても、私が何かをレクチャーするわけではなく。

演劇的ワークを実践する中で、参加者の方の体感していただき

それぞれにとって最適なコミュニケーションのあり方を探していくような時間をつくっています。

それをサポートするのが講師の役割です。

 

コミュニケーションを学ぶのに演劇的アプローチが使えるのか?

 

それが今回の記事のテーマです。

1、演劇が非常に高度かつ多様なコミュニケーションの上に成り立つものであること。

2、演劇的ワークでの「体感」

これらがキーワードです。

コミュニケーション能力とは?

 

さて、コミュニケーション、コミュニケーションと書き連ねてきました。

実際「コミュニケーション」という言葉はすごく曖昧に使われてしまう言葉だと思います。

「なんか入れとけばそれっぽい言葉ランキング」があるとしたら、確実に上位に食い込むでしょう。

 

コミュニケーション能力の向上と言ったときに、

具体的にはどのような状態を「向上した」というのか、

想像、または言葉にできるでしょうか?

・そもそもコミュニケーションって何?

 

辞書によると、コミュニケーションの定義は以下の通りです。

人間が互いに意思・感情・思考を伝達し合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う。

Weblio辞書より引用

この定義でいくと、

コミュニケーション能力とは「感情や思考の伝達をスムーズに行うことのできる能力」ということになるでしょうか。

では、その能力はどうしたら向上するのでしょう。

・能力は経験によって発展していくもの

 

才能、という言葉があるように、人が持つ能力はときに「もともと備わっているもの」として捉えられてしまいます。

ですが、

どのような能力も、経験によって発展すると私は考えます。

 

ピアノを弾く人は、多くの時間を練習に費やすことでスキルを豊かにしていきます。


文章を書く人は、執筆を重ねることでより多彩なアプローチができるようになるかもしれません。

もしくは、その人独自の文体を見つけていくかもしれません。

 

反対に、仮に「才能」というものがもともとあったとしても、

経験や練習を積まなければ能力が向上することは無いと言ってよいでしょう。

 

わかりやすい例が、言語能力です。

 

言語はコミュニケーションの一部ですが、生まれたときすでに特定の言語を喋る赤ちゃんは存在しません。


多くは一番身近な環境で使われている言語を、その言語での人との関わりを「経験」して、自然と身につけていくのです。

どんな経験をしたかによって、身に付く言語は変わります。

 

英語の学習による経験

 

または、第2・第3ヶ国語など、勉強して言語を身に付けることもあると思います。

ここからは、私の英語学習の経験から学んだことを書きます。

 

高校卒業後、英語を学んで海外留学を経験しました。

英語の習得において「とにかくたくさん実践すること」が一番大切だったと感じています。

 

インプットもアウトプットも、質はもちろんですが量をやる。

質がダイジではないという意味ではなく、

それ以上に「量」をこなすことがダイジです。

 

一年間で英語を習得するための学習内容と時間

 

(学習内容)

1、記事を読んで本を読んで文を書いてディスカッションをして映像を見る。

2、悩み相談も笑い話もする。

はぼ毎日10時間以上で、1年間そのような環境に身を置いていました。

その結果、現地の大学の留学生クラスでの成績はいつも上位でした。

 

そして、留学から帰ってきて時間が経った今、「経験・実践」の重要さをさらに強く感じています。

英語を使うことが少なくなった今、以前と比べて英語への感覚が鈍っているなと感じるからです。

結論:コミュニケーション能力は経験によって向上する

 

上述した言語能力や他のスキルと同じように、コミュニケーション能力も経験を重ねることで培われていくものです。

ですから、

「コミュニケーション能力がない」と言われる人も、根本的な人格の問題などではありません。

単純にいままでの経験が少ない、または人と良い関わりをあまり経験していないだけで、経験を積めばより円滑にコミュニケーションをとることができるようになる、と言えると思います。

しかし、間違ったフォームで素振りの練習をしてもバッティングは上達しないように、

円滑なコミュニケーションがとれるようになるためにも、大切にすべき「基礎」の部分があると考えます。

コミュニケーションの基礎 3つの大前提

 

違いを体感する

 

コミュニケーションの基礎として私が講座で大切にしていることは、「違いを体感する」ことです。

もうすこし噛み砕くと、「自分の感じ方や考え方、そして伝え方は、必ずしもその通りに理解してもらえるわけではない。

なぜなら、他の人もそれぞれに感じ方や考え方、そして伝え方が違うから」ということを、理屈ではなく「実感としてわかっている」ことが、円滑なコミュニケーションの根底にある考え方だと思っています。

 

そもそも、人はみんな違います。

 

私が講座の導入としてよく用いるワークに、「絵をみて感想を共有する」というものがあります。

音楽でもよいです。

「どら焼き」「稲妻が走っている空」などの具体的なものから抽象絵画までどんな絵でも、必ず全く違うコメントが出てきます。

 

*どら焼きの画像です。なにか感じるでしょうか?
考えること、思い出すことはありますか?

 

私はこのどら焼きを見て、「好きだな〜、和菓子、いいよな〜」と感じます。

けれども8名くらいでやると、一番に「ネコ型ロボット!」という方がいたり、「甘そう」や「緑茶と合う」と共有してくださる方もいます。

 

 

 

抽象画になるとさらに多様で、毎回とても興味深いです。

この「絵をみて感想を共有する」ワークから、これだけシンプルなものに関しても、人はそれぞれ全く違う価値観を持っているということが分かります。

 

こうして「違いを体感する」ことがとても重要です。

なぜなら、違うことが前提であれば、より相手に伝わりやすい伝え方、勘違いを生まないような聞き手の工夫などが生まれるからです。

・違うことが分かると、伝える・受け取る努力ができる

 

わかりやすい例として、「他言語を喋る人とのコミュニケーション」を想像してみてください。

道に迷っている観光客の方から声をかけられたとします。

その時、その人を助けてあげたいけれども言葉が理解できない場合、どのようにコミュニケーションをとるでしょうか?

 

おそらく、まず相手が何を言っているのか、どこにいきたいのかを正しく理解するために、真剣に相手に耳を傾けるでしょう。

もしくは地図を指差したりして、「ここですか?」と質問をするかもしれません。

 

行き先が分かったらその次は、相手が理解できるように道順を説明する必要があります。


言葉が分からないぶん「どうやったら伝わるか?」考えをめぐらせて、ジェスチャーを使ったり、スマホで翻訳サイトを使ったりするかもしれません。

話す言語が違う場合、そうやってきちんと伝える・受け取る努力をすることではじめて、コミュニケーションが成り立ちます。

ですが、これはたとえ同じ言語を話そうが、同じ地域に住んでいようが、同じ職場だろうが、変わりはないのです。

同じことを前提にするとみんな苦しい

 

国籍や言語など、「同じ」と感じる要素が多ければ多いほど、実際に関わったときに「この人は自分と違う価値観を持った人だ」ということを忘れてしまいがちです。

言い換えると、「暗黙の了解」の部分を過信しすぎてしまいます。

 

「このくらいで伝わるだろう」と思ったことが、伝わらない。

「こういうことだな」と受け取ったものが、本当は違う意味だった。

 

このようなすれ違いは、人がみんな違うことを考えたら当たり前です。

 

けれど、「同じ(人は自分のことを理解できるし、自分も人のことを理解できる)」を前提にすると、

「なぜ分からないんだ!考え方がおかしいんじゃないのか!」

「ぜんぜん分からない!もっと分かるように説明してよ!」

となってしまうのです。

 

しかし、「相手には自分の言いたいことは100%伝わらないし、相手の言うことは100%その通りに理解できない」これが分かっていれば、

例えば

「あなたの言う⚪︎⚪︎は、**という意味で合っていますか?」と、

その都度確認したりできます。

 

そういった姿勢をお互いに持って接すれば、円滑な意思疎通がはかれるでしょう。

 

けれどもやっぱり、実際には「このくらい分かってもらえるだろう」と思ってしまう。

ですから、円滑なコミュニケーションの基礎をつくるためには「本当に、これだけ伝わらない・受け取れない」と体感レベルで分かることが非常に重要だと感じています。

 

どうやって「体感」するのか? そこで演劇の登場です。

演劇的ワークでコミュニケーションの2つの基礎を体感する

 

コミュニケーション講座では、コミュニケーションの基礎を体感することを目的に、演劇的ワーク(シアターワーク)を参加者の方に行ってもらいます。

・シアターワークとは

 

舞台上で演技をするということは、高度なコミュニケーションの上に成り立ちます。

セリフは決まっているけれど、 相手役がいる場合その相手のセリフのニュアンスや空気感、またお客さんも含めたその場の空気感も感じ取って演技に反映させることで良いシーン、ひいては 良い作品が出来上がります。

しかし実際に舞台に立つと、緊張や過度な自意識から周りが見えなくなってしまう役者も多く、そうなると「ただセリフを言っているだけ」でコミュニケーションとしては成立しません。

そのような役者同士の舞台上でのコミュニケーションの基礎の基礎のエクササイズとして、様々な種類のシアターワークが演劇の現場では用いられています。

しかしこれらは演劇のみならず、「コミュニケーション」そのものを感じる・考える入り口 となりうるエクササイズだと感じています。

・ジェスチャーゲームで違いを体感する

 

私が講座で用いるワークはさまざまですが、核となるのはこれからご紹介する「ジェスチャーゲーム」です。

ルール
・お題を決める。
・ジェスチャーをする人は体を使ってお題を表現する。声にしていいのは「あ」など一音のみ。
・答えを当てるパートナーは、喋ることができる。
・パートナーが、お題を当てた時点で終了。

 

やったことがある方も多いかもしれません。

 

非常にシンプルなゲームですが、円滑なコミュニケーションの基盤を作るために大切なことが詰まっています。

①ジェスチャーをする人と答える人がお互いを理解しあう必要性がある
②お互いは自分の理解しやすい範疇を超えて、どうしたら相手に伝わるか/相手が何を表現しているかを想像する(相手の考えや立場を思いやる)必要がある

 

以上の特性から、「他人同士のものごとの捉え方の差」に気づく機会になり、きちんと伝える・受け取るためには工夫や努力が必要、という本質的な部分が実感できます。

 

また、すれ違いが起こった時に「相手のことをちゃんと見る」「相手に何が分からないのか聞く/伝える」ということの重要性も教えてくれるワークです。

ジェスチャーをする側はどれくらい相手が理解しているかを見ながら進め、パートナーも自分が今何を考えているのか口に出して伝えることで、より早く同じ方向に向かっていくことができます。

このように、円滑なコミュニケーションのためにはどういったアプローチが良いのか、シーアターワークを通じて実践していくことができます。

ワークの中でお互いに良い体験ができたり、反対に失敗だと思うことがあったり、そういった実体験こそが、その人なりのコミュニケーションのあり方の幅を広げてくれると思っています。

まとめ

体感するとは、自分の感覚に落とし込むということ。自分が他者とコミュニケーションをとる時に、どういった場面で何を感じるのか、苦手な部分はあるか、できる工夫はあるだろうか、ということを、まずは自分自身が分かっていることが大切です。

自分のことを知った上でさらに、「人はみんな違う」という実感があること。

コミュニケーションをとるお互いがそのような状態であれば、誰とでも、どのような環境でも相手も自分も尊重する工夫ができると思います。

余談ですが、この記事でお話ししているコミュニケーション、これは「異文化コミュニケーション」のことです。

次回はそのコミュニケーションの2つの種類についての記事を書こうと思います。

 

お読みいただき、ありがとうございました!

 

おおぜきあい

 

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